オンライン服薬指導

オンライン服薬指導と対面の服薬指導は、どちらが優れているというものではありません。
薬局へ行くことが負担になる方や、いつも同じ薬を使っている方にはオンラインが向いています。 今日中に薬が必要な方や、はじめて使う薬の説明を受ける方には、対面が向いています。
この記事では、両者の違いと、選ぶときの判断のポイントを説明します。
変わらないのは、薬剤師が薬の説明をすることです。 飲み方、飲む量、気をつける症状、飲み忘れたときの対応は、どちらでも説明されます。
保険の考え方も同じです。 薬代と、調剤や服薬指導にかかる料金は、対面と同じように保険の対象になります。
疑問があれば、その場で質問できる点も変わりません。 お薬手帳や手元の薬を画面に映しながら相談することもできます。
オンラインだから説明が簡単になる、ということはありません。 聞きたいことがあれば、対面と同じように時間をとってもらえます。
変わるのは、薬の受け取り方です。 自宅への配送か、店舗での受け取りを選びます。
配送を選ぶと、配送料がかかります。 配送料の目安は、オンライン服薬指導の料金で説明しています。 薬が手元に届くまでの時間も、対面より長くなります。
ビデオ通話ができる機器と、安定した通信環境も必要です。 薬の話をするため、周りに聞かれない場所も用意します。
次に当てはまる方は、オンラインが向いています。
いつも同じ薬を使っていて、処方の内容が変わらない
仕事や育児、介護があり、薬局の営業時間に行きにくい
薬局が遠い、または体調が悪くて外出しにくい
人が集まる場所を避けたい
離れて暮らす家族と一緒に説明を聞きたい
厚生労働省の実施要領では、かかりつけの薬剤師や薬局が行うことが望ましいとされています。 (厚生労働省「オンライン服薬指導の実施要領について」令和4年9月30日付け薬生発0930第1号)
同じ薬局を続けて使うと、これまでの薬の記録をふまえて相談できます。
申し込みから薬が届くまでの流れは、オンライン服薬指導の受け方で説明しています。
次に当てはまる方は、対面のほうが向いています。
手元の薬が残りわずかで、今日中に必要
はじめて使う薬で、使い方を実際に見て確認したい
吸入薬や注射薬など、手技が必要な薬を使う
通信環境が不安定、または機器の操作に不安がある
落ち着いて話せる場所を用意できない
体調が普段と大きく違う
薬の残りが少ないときは、配送を待つより来局するほうが早い場合があります。
はじめて使う薬でも、飲み薬であればオンラインで説明を受けられます。 吸入薬や自己注射のように、手を動かして使う薬は別です。 はじめて使うときは対面のほうがよいと考えています。
薬の種類によって、配送のしかたに制限がかかることがあります。
冷蔵など、温度の管理に注意が必要な薬が該当します。 早く使う必要がある薬や、麻薬や向精神薬など、厳しく管理される薬も同じです。
こうした薬では、薬局が直接届ける方法や、来局をお願いする方法がとられます。 (厚生労働省「オンライン服薬指導の実施要領について」令和4年9月30日付け薬生発0930第1号)
自分の薬が当てはまるかどうかは、予約の前に薬局へ確認してください。
オンラインを予約していても、対面に切り替わることがあります。 実施できるかどうかは、そのつど薬剤師が判断すると定められています。
その薬局を初めて使う場合や、処方の内容が変わった場合があります。 そのときは、これまでの薬の使用状況を確認したうえで実施されます。
対面をお願いされても、利用を断られているわけではありません。 画面越しでは確認しきれないことがあるためです。
医師が行うオンライン診療でも、実施の可否はそのつど判断されます。 (厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」平成30年3月、令和8年4月一部改訂)
選ぶときの目安を整理します。
今日中に薬が必要かどうか
はじめて使う薬かどうか
手技が必要な薬かどうか
落ち着いて話せる場所と通信環境があるかどうか
配送料を含めて納得できるかどうか
1つでも不安があるときは、対面を選ぶか、薬局に相談してください。
どちらかに決めてしまう必要はありません。 薬局でよく聞かれるのが、一度オンラインにしたら次も同じなのか、という質問です。 毎回申し込むしくみなので、そのつど変えられます。 今回はオンライン、次回は対面、という選び方もできます。
この記事の著者
福井 匠|薬剤師
調剤薬局のエリアマネージャーとして複数店舗を担当しながら、現在も調剤の現場に従事しています。
また、薬局に特化したホームページ制作「PHARMA STUDIO」も手がけ、現場とインターネットの両方から薬局に関わっています。