処方箋のこと

処方箋を薬局に出せるのは、受け取った日を含めて4日です。 土曜、日曜、祝日も、この4日に含まれます。
期限が切れた処方箋は、薬局では受け付けられません。 薬局の判断で、期限を延ばすこともできません。
この記事では、4日の数え方と、期限が切れたときに連絡する先を説明します。 連休をはさむときの注意も、実際の日付で示します。
処方箋を薬局に出せる期間は、交付の日を含めて4日です。 処方箋は、医師が薬の種類や量を指示した書類です。 交付の日とは、医療機関でその書類を受け取った日を指します。
この4日という期間は、保険のしくみの中で決められています。 (保険医療機関及び保険医療養担当規則 第20条)
ただし、長期の旅行などの事情がある場合は例外があります。 医師が処方箋に別の使用期間を書いていれば、その日まで使えます。 処方箋の「使用期間」の欄に日付があるときは、そちらが優先されます。
数え方をまちがえる方が多いところです。 受け取った日が1日目で、その4日目までが期限になります。
たとえば8月3日の月曜日に受け取ったとします。 この場合、8月6日の木曜日までが使える期間です。 8月7日の金曜日には、その処方箋は使えません。
「4日後まで大丈夫」と考えると、1日ずれてしまいます。
薬局が閉まっている日も、4日の中に数えます。 休みの日を飛ばして数えることはできません。
厚生労働省も、この点を医療機関や薬局に周知しています。 休日や祝日が含まれるため注意してほしい、という内容です。 (厚生労働省「処方箋の使用期間について」令和5年3月24日付け事務連絡)
金曜日に受け取った処方箋は、月曜日までが期限になります。 週末をはさむと、薬局に行ける日が実質2日しかありません。
期限が切れた処方箋は、原則としてお断りすることになります。 その場で薬をお渡しすることはできません。
薬局が日付を書き直したり、期限を延ばしたりはできないためです。 医療機関に問い合わせて、期限だけを延ばしてもらうこともできません。
期限が決まっているのは、処方箋が診察の結果だからです。 医師は、その日の症状や検査の結果をもとに薬を決めています。 日数が経つと、体の状態が変わっている可能性があります。
薬局の窓口では、事情をうかがったうえで対応を案内します。 まずは処方箋を出した医療機関に連絡していただくことになります。
最初にすることは、処方箋を出した医療機関への連絡です。 薬局ではなく、医療機関が窓口になります。
そのうえで、次のような流れになります。
電話で、処方箋の期限が切れたことを伝える
医療機関の指示にしたがい、受診が必要かを確認する
あらためて処方箋を受け取り、4日以内に薬局へ出す
もう一度受診を案内される場合があります。 前と同じ内容の処方箋が、そのまま出るとはかぎりません。 状態を確かめてから判断することになるためです。
費用についても、先に知っておくと安心です。 処方箋を出し直してもらうときは、費用がかかる場合があります。 このときの費用は、保険がきかず自費になる場合があります。 金額や取り扱いは医療機関によって異なります。 電話で連絡するときに、あわせて確認してください。
このとき、薬を受け取れていないことも伝えてください。 医師は、指示した薬を飲んでいる前提で次の診察を進めます。 飲めていない期間があると、その前提が変わります。 言い出しにくいと感じる方もいますが、伝えたほうが安全です。
薬局で期限切れの処方箋を見るのは、連休の後が多いです。 ゴールデンウィークやお盆休みの後に、まとまって持ち込まれます。
連休の前に受診し、その日は薬局に寄らずに帰る。 休みの間に4日が過ぎ、明けてから薬局に行く。 この流れで期限が切れます。
たとえば、8月8日の金曜日に受け取ったとします。 使えるのは8月11日の月曜日までです。 お盆休みが明けてからでは、すでに期限を過ぎています。
連休の前に処方箋を受け取ったら、日付を先に数えてください。 薬局の営業日も、あわせて確認しておくと安心です。 連休中は、休みに入る薬局と開けている薬局が分かれます。
いちばん確実なのは、受診したその日に薬局へ寄ることです。 そのほかにも、次のような方法があります。
家族など、代理の方に処方箋を持って行ってもらう
長期の旅行などの事情があるときは、診察のときに医師へ相談する
薬局に電話やアプリで先に処方箋を送り、薬を用意しておいてもらう
処方箋は、本人以外の方が薬局に出すこともできます。 仕事や体調で動けないときは、家族に頼む方法があります。
旅行や出張の予定があるときは、診察のときに伝えてください。 事情によっては、医師が使用期間を延ばして記載する場合があります。 処方箋を受け取った後では、この対応はできません。
薬局は、病院や診療所の前にあるところでなくてかまいません。 自宅や職場の近くの薬局に出すこともできます。 連休明けなど、いつもの薬局が混むときは選択肢が広がります。 詳しくは「処方箋は病院の前の薬局でなくていい|選び方と在庫の注意点」で説明しています。
リフィル処方箋も、1回目は交付の日を含めて4日です。 リフィル処方箋とは、同じ処方箋を繰り返し使えるしくみです。 症状が安定している方に、医師の判断で出されます。
2回目からは、数え方が変わります。 前回受け取った薬がなくなる日の、前後7日以内が期間です。 早すぎても遅すぎても使えないため、日付の確認が必要です。
電子処方箋の場合も、使える期間は紙と同じ4日です。 電子処方箋とは、処方箋を紙ではなくデータでやりとりするしくみです。 紙の代わりに「引換番号」を受け取ることがあります。
データになっても、期限がなくなるわけではありません。 受け取った日を含めて4日という点は変わりません。
この記事の要点は次のとおりです。
処方箋を薬局に出せるのは、交付の日を含めて4日
4日後ではなく、受け取った日を1日目として4日目まで
土曜、日曜、祝日も日数に含まれる
期限が切れた処方箋は、原則として薬局では受け付けられない
薬局の判断で期限を延ばすことはできない
期限が切れたら、処方箋を出した医療機関に連絡する
連休をはさむときは、先に日付を数えておく
期限内かどうかで迷ったときは、薬局に電話で聞いてください。 処方箋に書かれた日付を読み上げれば、その場で判断できます。 薬局に行く前に確認できるため、往復の手間がかかりません。
すでに期限が切れているときは、処方箋を出した医療機関が窓口です。 受診が必要か、費用がどうなるかは、医療機関でないと答えられません。 かかりつけの薬局がある方も、この連絡は医療機関にしてください。
次の受診まで薬が足りない場合も、早めに医療機関へ連絡してください。 自分の判断で、薬の量を減らして延ばすことはしないでください。 飲む量や回数を変える相談は、薬局でも受けています。 どちらに聞けばよいか迷うときは、近くの薬局に声をかけてください。
この記事の著者
福井 匠|薬剤師
調剤薬局のエリアマネージャーとして複数店舗を担当しながら、現在も調剤の現場に従事しています。
また、薬局に特化したホームページ制作「PHARMA STUDIO」も手がけ、現場とインターネットの両方から薬局に関わっています。