緊急避妊薬

緊急避妊薬(アフターピル)は、処方箋なしで買えます。 ただし、買えるのは厚生労働省の一覧に載っている薬局と店舗だけです。
近くの薬局が扱っているとは限りません。 来局の前に、その薬局へ電話で確認することがすすめられています。
この記事では、一覧の探し方と見方、来局前の確認、買うときの条件と費用を説明します。
販売している薬局は、厚生労働省が公開している一覧で探します。 ここに載っている薬局と店舗だけが、処方箋なしで販売できます。
一覧はエクセルとPDFの2つの形式で公開されています。 (厚生労働省「要指導医薬品である緊急避妊薬の販売が可能な薬局等の一覧」)
大手ドラッグストアの名前では判断できません。 同じチェーンでも、扱っている店舗と扱っていない店舗があります。
緊急避妊薬は要指導医薬品にあたります。 薬剤師が対面で説明したうえで販売する薬のことです。 販売できるのは、決められた研修を修了した薬剤師だけです。
一覧には、薬局名と住所のほかに、来局の判断に使える情報が載っています。
電話番号と開局時間
時間外に対応するかどうか、対応する場合の電話番号
事前の連絡が必要かどうか
プライバシーを確保する方法(個室、衝立、時間をずらすなど)
事前の連絡が必要かどうかは、先に見ておいてください。 連絡せずに行った場合、すぐには対応してもらえないこともあります。
一覧は、基本として毎月上旬に1回更新されます。 更新のときに、追加だけでなく削除されることもあります。
そのため、他のサイトがまとめた一覧ではなく、厚生労働省のページを見てください。 以前に見た情報が、そのまま使えるとは限りません。
一覧で薬局を見つけたら、行く前に電話をしてください。 厚生労働省も、来局の前に電話で連絡することをすすめています。
電話で確認したいのは、次の3つです。
在庫があるかどうか
販売できる薬剤師が勤務しているかどうか
何時までに行けばよいか
一覧に載っていても、その時間に買えるとは限りません。 試験的な販売の期間には、研修を修了した薬剤師が不在で販売できなかった例が報告されています。 (公益社団法人日本薬剤師会「緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査事業 報告書」令和8年3月)
電話は、服用する本人からかけてください。 薬局は電話の段階で、来局する人が本人かどうかを確かめています。
薬局で買うときの条件は3つです。
服用する本人が薬局へ行くこと
研修を修了した薬剤師が対応すること
薬剤師の目の前で、その場で1錠を服用すること
3つめは、承認された用法・用量そのものに書かれています。 持ち帰ることはできません。 家族やパートナーが代わりに買うこともできません。
年齢の制限は設けられていません。 保護者の同意も必要ありません。 ただし16歳未満の場合などは、産婦人科や小児科の受診をすすめられることがあります。
薬局に着いたら、チェックシートに記入します。 記入するのは、服用する本人です。 薬局によっては、薬剤師が口頭で聞き取ることもあります。
聞かれるのは、主に次のような内容です。
性交からの時間が72時間以内かどうか
服用できない条件にあてはまらないか
直近の月経がいつだったか、量や期間はいつも通りだったか
今回より前に、妊娠の可能性がある性交がなかったか
薬剤師は、この内容をもとに話を聞いて、販売できるかを判断します。 すでに妊娠している可能性が残るときは、先に妊娠検査薬を使うことがあります。
販売できないと判断された場合は、その理由の説明があります。 そのうえで、産婦人科を紹介してもらえます。
費用は薬局ごとに決まるため、店舗によって違います。 公的医療保険は使えません。全額が自費になります。
試験的な販売の期間には、各薬局が7,000円から9,000円の範囲で価格を決めていました。 市販後の価格は各薬局が決めるため、この範囲と異なることがあります。 金額が気になる場合は、電話のときに確認してください。
妊娠検査薬を一緒に買う場合は、その分が別にかかります。
近くに販売している薬局がないときは、産婦人科か婦人科を受診してください。 医療機関でも緊急避妊薬を処方してもらえます。
性交から72時間を過ぎた場合も、薬局では買えません。 この場合も、産婦人科への相談になります。
一覧に載っている薬局に電話がつながらないこともあります。 そのときは、一覧で近隣の別の薬局を探すか、受診に切り替えてください。
服用してから約3週間後に、妊娠していないかを確認してください。 確認の方法は、妊娠検査薬を使うか、産婦人科を受診するかのどちらかです。
緊急避妊薬は、妊娠を避けることが期待できる薬です。 服用しても妊娠する場合があるため、あとから確認する必要があります。
服用したあとの出血は、生理とは限りません。 出血があったからといって、妊娠していないとは判断できません。
服用後に気になる体調の変化があれば、買った薬局の薬剤師に相談してください。
緊急避妊薬は2026年2月2日から、処方箋なしで買えるようになった
買えるのは厚生労働省の一覧に載っている薬局と店舗だけ
一覧は毎月上旬に更新され、削除されることもある
来局の前に、本人から電話で在庫と薬剤師の勤務を確認する
本人の来局、研修を修了した薬剤師、面前での服用の3つが条件
費用は全額自費で、薬局ごとに決まる
服用から約3週間後に、妊娠していないかを確認する
来局の前に確認したいことは、一覧に載っている薬局へ電話で聞いてください。 在庫、薬剤師の勤務、費用、行ける時間帯は、薬局でなければ答えられません。 かかりつけの薬局がある場合も、そこが販売しているとは限りません。 一覧で確かめてください。
服用してよいかどうかの判断は、薬局の薬剤師が確認します。 薬局で買えなかったときや、72時間を過ぎたときは、産婦人科か婦人科に相談してください。 服用したあとの体調や、妊娠の確認についても、産婦人科で相談できます。
同意のない性行為が背景にある場合は、公的な相談窓口があります。 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターです。 全国共通の短縮番号「#8891」で、最寄りのセンターにつながります。 一部のIP電話などからは、つながらない場合があります。 薬局から支援センターに連絡してもらうこともできます。
この記事の著者
福井 匠|薬剤師
調剤薬局のエリアマネージャーとして複数店舗を担当しながら、現在も調剤の現場に従事しています。
また、薬局に特化したホームページ制作「PHARMA STUDIO」も手がけ、現場とインターネットの両方から薬局に関わっています。